2007.11.25
ガン(癌)の治療


ガン治療については下記の方法が取られます。

.外科療法=病巣を切り取って根本的に治そうとする治療法
.放射線治療=放射線を当ててがん細胞のDNAを損傷させ増殖を抑え殺傷する治療法
.化学療法=抗がん剤でがん細胞の増殖を抑え死滅させる治療法

これに、
新たな治療法として1994年より臨床試験が開始されたのが
.陽子線治療・重粒子線治療がんの位置、大きなや形状に合わせて線量を調節しがん細胞を集中的に狙い撃ちし、切らずにガンを治す最先端治療です。(光の速度の八割まで高速化した高速陽子線や重粒子線(炭素イオン線))
この重粒子線治療は、
病巣の深さ・幅などに対応し病巣の終端部分でピタリと止まります。
放射線のように奥まで奥まで突き抜けてしまうことがないそうです。
また、病巣に到達するまでの線量が15%(病巣部に達したときの線量を100%)程度に抑えられることにより、到達までのダメ-ジを圧倒的に減らすことが可能
となっています。

残念ながら、陽子線も重粒子線もまだまだ臨床段階で、保険適用外の高度先進医療のため全額自己負担の治療法です。
陽子線は国立がんセンター東病院、筑波大学陽子線医学利用研究センター、兵庫県立粒子線医療センター、若狭湾エネルギー研究センター、静岡県立静岡がんセンターの5ヵ所にしかありません。費用は約288万かかります。
また、重粒子線治療は、放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院(千葉市)と、兵庫県立粒子線医療センター(たつの市)の2つだそう。これも費用は300万円を超える費用。運良く臨床試験での照射を受けれる人は安価ですが、自力で受けようとすると高価です。

もし、ガンと診断されたら、「痛みを伴わない」「副作用が少ない」「放射線では困難な表皮より深い位置にある深部ガンにも適用できる」「社会復帰までの時間が短い」重粒子線治療を第1に考えてみたいですね。
熊本でもかなり先進のガン治療が…
陽子線治療や重粒子線治療の最先端治療は、受けてみたいものですが、どうしても高額な自己負担を伴います。また、熊本や九州からは遠方の場所まで行かねばならない…。
この熊本でも保険が適用になる放射線治療の中でも「出来る限りダメージを抑えてくれてガンに直接照射出来る」最先端放射線治療機器が、2007年9月に導入されました。済生会熊本病院です。従来の本棟・健康管理センターとは別に、新たにガン外来治療センターを建設してガンの治療にチカラを入れ始めたのです。同時に、
トモセラピー(高度変調放射線治療機器)を九州で最初(全国で7番目)に導入したんですが、
従来の放射線治療では、病巣と正常組織を区別せずに放射線を照射していたため、がん以外の細胞にもダメージを与えてしまうという問題がありました。しかし、放射線治療も進歩し、3次元的に病巣に放射線を集光させて治療を行う「定位放射線治療」が可能になってきました。様々な方向から、がんに放射線を集中させると、十分な放射線量をがんにあてることができ、正常組織にあたる照射線が、従来の方法よりも少なくなりますので、炎症などの副作用を少なくすることが可能になります。
しかし、この定位放射線治療でも、がんが正常組織を取り囲むように位置している場合、正常組織を避けて腫瘍に十分量の照射は事実上不可能でした。それを解決するために考え出された方法が「強度変調放射線治療(IMRT)」です。このIMRTとは、腫瘍の形にそって放射線をあてるということが可能になるだけでなく、一つの照射視野内で放射線を強くあてるところと弱くあてるところの調節ができますので、より副作用は少なくなる。
』ということです。

陽子線や重粒子線ほどの「他の正常な組織へのダメージ抑制力」は無いにせよ、
保険適用で、そして出来る限りダメージを抑えてくれてガンに直接照射出来る…機器が九州では熊本にしか無くて、しかも済生会にあるっていうだけでも心強いですよね

↑これが↑
トモセラピー
ガン(癌)の診断
ガンの診断方法には、
●X線CT(コンピュータ断層画像法)…X線を体のまわりにぐるりと当てて得られた画像をコンピュータで解析し、断層画像(体を輪切りにした画像)を合成します。
長所:・検査時間が短い・コントラスト分解能が高い・検査中に音が殆んどしない
短所:・血管の検査には造影剤が必要・微量の被ばくがある
●MRI(磁気共鳴画像法)…体内にある水素原子核を外部から強力な磁気と電磁波で揺さぶり、水素原子核から発生するごく弱い電波を受信してコンピュータで画像を合成します。
長所:・放射線の被ばくがない・コントラスト分解能がCTより優れている・体の任意方向の断面像が得られる・組織の形態情報が得られる・造影剤なしで血管の検査ができる
短所:・検査時間が長い・磁性体を着けていると検査できない・検査時に大きな音がする
●PET(陽電子断層撮影法)…ポジトロン(陽電子)を放出する放射性同位元素を付着させた薬剤を注射し、反応で発生するガンマ線を特殊なカメラでとらえ、細胞の活動状態の分布をコンピュータで画像化します。
長所:・一度で全身の検査が出来る・がんの早期発見に役立つ・がんの良性/悪性の判断に役立つ・がんの治療の効果の判定ができる
短所:・検査時間が長い・微量の被ばくがある・解像度が低い(1cm以下の腫瘍は検出できないことがある)
●腫瘍マーカー…がん細胞が特定の物質を作り出す働きを利用したもので、がんが作り出した物質が血液や尿の中に増えることによりがんの可能性をキャッチするものです。
長所:がんの種類に対応した多数のマーカーがあります。
短所:多くのマーカーはがんの有無に関係なく増えるなど不確実なところがあるため、補助的な診断法として用いられています。